単価はどう決める?
同じ能力を持った正社員とフリーランスがいたとすれば、社会的信用度が高いのは企業の後ろ盾を持つ正社員です。そのため、企業が直接フリーランスと取引を行うことは基本的に好まず、あったとしても人脈や実績のある人でないと厳しいのが現状です。しかし、企業側からすると、フリーランスに依頼した方が社員を育てるよりもコストを低く抑えられるというメリットがあることから、積極的にフリーランスを活用する流れもあります。そこのこと自体はフリーランスにとって喜ばしいことですが、ここで気をつけたいのが単価の設定です。

相場を把握し適正な単価設定を
フリーランスとクライアントの関係を見れば、クライアントの方が強い立場なのは明らかで、交渉の主導権はクライアントが握りがちです。提示する条件に納得できないならば他のフリーランスに依頼すると言われてしまえば、フリーランス側は譲歩するしかない状況に追い込まれてしまいます。そのため、できるだけコストを抑えたいクライアント側が提示する単価が極端に安くても、目先の仕事欲しさについその条件で受けてしまうという結果になることも多いものです。また、そもそも自分の能力に見合った単価の相場を把握しないまま交渉に臨んでしまっているフリーランスもいるので、本来であればもっと高単価でもおかしくない人が、そうとは知らずに安く使われているケースすらあります。しかし、能力に合わない低単価でずっと仕事を引き受けていると、事業を継続することは難しくなってしまうでしょう。フリーランスがクライアントと交渉して好条件を勝ち取ることはかなり難しいですが、これ以上は譲れないという相場をしっかり設定しておくことで値崩れを防ぐことができるので、一方的にフリーランスが不利になるような交渉をせずに済むでしょう。
単価設定の参考になるがクラウドソーシングです。クラウドソーシングの単価設定は相場より低いものが多いので、最低ラインを知る指標になります。しかし、それらはあくまでも最低ラインなので、スキルや経験などを踏まえて総合的に計算し、自分に見合った単価を設定するようにしましょう。
案件の安請け合いは禁物
仕事が欲しい気持ちが勝ってしまうと、どんなに条件の悪い仕事でも受けてしまいたくなることがあるかもしれません。しかし、安請け合いばかりしていると、どんなに低単価でも仕事を受けてくれる相手だとクライアントに認識されてしまうので、仕事はとても忙しいのにまるで稼げないという負のスパイラルに陥ってしまう可能性が高くなります。独立していきなり高単価の仕事を受けて活躍できるのは、人脈と能力があるなど地盤がしっかりしている人であって、そうでない人の場合、事業が軌道に乗るまでの下積み期間が必要なのも事実ですが、実績を積んでスキルアップしていくにつれて提供できる仕事の価値は上がっていくので、自分の相場はしっかりと把握し、適正な単価設定でクライアントとの交渉に臨んでいけるよう強い気持ちを持つようにすることが大切です。
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